
セラミックコーティングは、ガラスコーティングを超える最上級のコートとして注目を集めています。厚みのある被膜によって得られる圧倒的な耐久性や深い艶は、多くのオーナーから高評価を受け、施工する人も年々増加中です。ただし、最高クラスだけあって価格はやや高めといえます。
ただし、実際の費用は車のサイズや状態、選ぶメニューによって変わりますし、工夫次第で安く抑えることも可能です。この記事では、セラミックコーティングの価格相場や費用の内訳、安くするコツまでわかりやすく解説していきます。
セラミックコーティングの価格を決める3つの要素
セラミックコーティングの施工価格は、どの車でも一律というわけではありません。価格は主に3つの要素によって決まり、細かな違いはあるものの、全体的な傾向は共通しています。ここでは、施工費がどう決まるのか、自分の車がどれくらいになるのかチェックしてみてください。
車のサイズ
コーティングは、施工面積が広くなるほど作業に時間がかかるため、車のサイズによって価格が分かれています。細かい金額はお店ごとに異なるものの、基本的な区分に大きな差はありません。たとえば、System Xの施工認定店である「カービューティーアイアイシー」では、以下のような価格設定となっています。
車のサイズ | 主な該当車種 |
軽自動車(SSサイズ) | N-ONE、ロータスエリーゼ、日産デイズなど |
小型普通車(Sサイズ) | アウディAI、ベンツSLK、BMWミニ、ヤリスなど |
中型普通車(Mサイズ) | マツダ3、プリウス、ベンツAクラス、ポルシェ911など |
大型普通車サイズ(Lサイズ) | 日産GTR、クラウン、アウディA4、ベンツEクラスなど |
ワゴン(LLサイズ) | アルファード、ステップワゴン、アウディQ5、BMWX3など |
特大ワゴン(XLサイズ) | レクサスLX、ベンツVクラス、ベンツGクラス、ハイラックスなど |
たとえば、同じプリウスでもプリウスαとでサイズ区分が異なる場合があるため、事前に自分の車の区分を確認しておきましょう。サイズ表は、お店のサイトの料金表ページなどに記載されています。
車の状態
価格に影響する2つ目の項目が、車の状態です。コーティング前には必ず不純物の除去や磨きといった下地処理を行いますが、新車なら作業が少なくて済む一方、中古車では工程が増えるため、数万円単位で費用に差が出ます。一般的に3万円前後の違いがあると考えてよいでしょう。
また、国産車と外車では塗装の硬さが異なるため、外車のほうが磨きに手間がかかり、価格を分けているお店もあります。下地処理の内容を選べる店舗もあるので、事前にしっかり調べるのがおすすめです。なお、新車の扱いは「納車からの日数」や「走行距離」で決まるため、基準も確認しておきましょう。
コーティングの種類
3つ目の価格を左右する要素が、コーティングの種類です。同じセラミックコーティングでも商品によってグレードが分かれていることが多く、たとえば3年保証のベーシックなタイプなら費用は抑えめですが、10年保証の最上級グレードになると価格も上がります。
また、重ね塗りができるタイプでは、3層・6層・10層など施工層の数によって料金が変わる場合もあります。気になる商品が見つかったら、どのグレードがあるのか、重ね塗りの有無や料金体系までしっかり確認しておくと安心です。
セラミックコーティングの施工相場
前述の通り、一口にセラミックコーティングといっても、施工車種によって費用は大きく変わります。車種のサイズ別で分けた場合のおおよその施工価格相場は以下の通りです。
車のサイズ | セラミックコーティングの価格相場 |
軽サイズ、小型車 | 10~15万円(ガラスコーティングの場合は5~10万円) |
普通車 | 10~20万円(ガラスコーティングの場合は5~15万円) |
ミニバン車 | 15~25万円(ガラスコーティングの場合は10~20万円) |
大型車 | 20~35万円(ガラスコーティングの場合は15~25万円) |
あくまでも相場であるため、施工店ごとで詳細は異なりますが、ガラスコーティングと比べると10~15万円は高い傾向です。
お店によってセラミックコーティングの価格が異なる理由と注意点
セラミックコーティングの価格は、車のサイズ・ボディの状態・コーティングの種類によって決まるため、おおよその相場はあります。ただし、お店によっては相場より安いところもあれば、高めに設定しているところもあります。ここでは、なぜお店ごとに価格差が生まれるのか、その理由と注意点について解説します。
相場より施工価格が安いお店の場合
相場よりも明らかに安い施工価格を提示しているお店は、下地処理の工程を大幅に省いている可能性があります。確かに溶剤の価格にも違いはありますが、そこまで大きな差が出るものではなく、数万円も価格を下げられるほど安価なものはほとんどありません。どのお店でも作業内容に大きな違いはないため、極端に安い場合は、最も手間と時間がかかる下地処理を簡略化している可能性が高いといえます。
コーティングの美しさや耐久性は、下地処理の丁寧さに大きく左右されます。ただ溶剤を塗っただけでは、理想の仕上がりにはなりません。また、倉庫のような場所で設備が整っていないケースもあるため、価格だけで判断しないよう注意が必要です。
相場より施工価格が高い場合
相場より施工価格が高めに設定されているお店では、設備や機材、さらにはアフターケアに力を入れているケースが多く見られます。高品質な仕上がりを実現するためには、職人の技術だけでなく、専用ブースや純水処理装置、ガスプライマー処理装置、熱乾燥装置など、各工程に応じた設備も重要です。必須というわけではありませんが、これらが揃っていることで、仕上がりの美しさや耐久性に差が出てきます。
また、施工後に美しさを長く保つにはアフターケアも欠かせません。定期点検や再施工メニューなど、その内容にこだわっている店舗も多く存在します。ただし、中には価格が高いだけで特に設備やサービスに特徴がないお店もあるため、気になる場合は事前に設備環境やサポート内容をしっかり確認しておきましょう。
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自分で施工する場合のセラミックコーティング価格
コーティングの普及により、近年はDIY用の商品も多数販売されており、その中にはセラミックタイプもあります。DIY商品は、専門店で扱うものと比べて品質は落ちるものの、施工性が重視されていて、経験がない人でも比較的簡単に施工できることが魅力です。自分でセラミックコーティングを施工する場合、どこまで作業にこだわるかにもよりますが、主にかかる項目は以下の通りです。
【下地処理作業用】
・洗車セット(必須):2,000円前後
・鉄粉除去(任意):1,000円前後
・シミ除去剤(任意):1,000円前後
【コーティング施工用】
・コーティングセット(必須):3,000~1万円ほど
・仕上げ用クロス(任意):1,000円前後
安ければ5,000円程度から施工できますが、中古車で下地処理にこだわる場合は1万円を超えることもあります。ちなみに、さらに本格的な下地処理を行う場合は「磨き作業」もありますが、専用の機材が必要で、経験がないと失敗のリスクもあります。どうしても自分で磨きを入れたいなら、キーパーなどで磨きだけ依頼し、あとの工程を自分で仕上げるのも一つの方法です。
セラミックコーティング価格を抑える方法
セラミックコーティングは、ガラスコーティングに比べて価格が高めですが、ちょっとした工夫で費用を抑えることも可能です。ここでは、施工価格を少しでも安く、お得にするための方法を紹介していきます。
セットメニューを利用する
コーティング以外にも施工を考えている場合は、セットメニューを活用することで全体の費用を抑えやすくなります。たとえば、窓ガラスの撥水加工やカーフィルム、ホイールコートなどとのセットプランが代表的です。
すべてのお店に用意されているわけではありませんが、まずはメニューをチェックしてみましょう。セットがない場合でも、他の施工とあわせて相談すれば、割引やサービス対応をしてくれるお店もあります。
関連記事:ホイールコートは意味ないって本当?最強のコート剤や施工店選びについて解説
関連記事:窓ガラスコートはしない方がいい?施工メリットや施工料金について解説
お店のキャンペーンを利用する
セットプラン以外にも、多くのお店では定期的にさまざまなキャンペーンを実施しています。気になるお店があれば、こまめに情報をチェックして、キャンペーンのタイミングで依頼するとお得です。
たとえば、年末年始はコーティング特価や車内清掃とのセット、梅雨時期は窓撥水加工、夏前にはカーフィルムとのセットキャンペーンなどが行われることがあります。施工内容に合わせて上手に活用しましょう。
できるだけ新車のうちに依頼する
セラミックコーティングの価格は、下地処理の有無などによって大きく変わります。そのため、下地処理が最小限で済む新車のうちに施工を依頼すれば、数万円単位で費用を抑えられることもあります。さらにセットプランやキャンペーンを組み合わせれば、かなりお得に施工できるでしょう。
お店によって新車の基準は異なりますが、少し条件を過ぎていても対応してくれる場合もあります。新古車や、状態が良好な中古車であれば一度相談してみるのもおすすめです。このほか、複数グレードがある商品なら、あえてグレードを一つ下げることでも費用を抑えられます。
セラミックコーティング「System X」の施工価格
System Xは、航空機や船舶にも使われるアメリカ発の高性能セラミックコーティングです。10ミクロンを超える厚みの被膜は一般的な製品と比べて圧倒的で、紫外線や酸性雨、塩害、化学物質にも高い耐性を発揮します。被膜硬度は9Hと非常に高く、傷がつきにくいのも特長。深い艶と滑らかな光沢が長く続き、水シミを防ぐ疎水性やセルフクリーニング効果も備えています。
全6グレードから用途や予算に合わせて選べます。System Xの施工価格は以下の通りです。※カービューティーアイアイシーの場合。
・Crystal SS(3年耐久):11万7,800~20万7,900円
・Pro(6年耐久):15万1,400~26万7,300円
・Diamond SS(8年耐久):19万3,500~34万1,500円
・Max(10年耐久):23万5,600~41万5,800円
・Max MF(10年耐久):23万5,600~41万5,800円
・MaxG+(10年耐久):27万7,600~49万
上の費用で実際の価格は車のサイズやボディの状態(研磨作業の有無や内容)によって決定します。
施工事例別|主な車種のセラミックコーティング価格
ここでは、System Xの施工認定店「カービューティーアイアイシー」で実際に施工された車種ごとの価格事例を紹介します。車のサイズやボディの状態、選ばれたメニュー内容もあわせて紹介していますので、費用の目安として参考にしてみてください。※2025年5月時点での価格です。
車種・ボディ状態・施工メニュー | 施工価格 |
シビックタイプR・新車 System X Diamond SS(8年耐久) |
32万450円 |
スープラ・新車 System X MaxG+(10年耐久) |
33万4,730円 |
メガーヌ・経年車 System X Crystal SS(3年耐久) |
31万4,600円 |
レクサスIS・経年車 System X Pro(6年耐久) |
26万7,000円 |
ポルシェ911・新車 System X Pro(6年耐久) |
23万9,500円 |
フェラーリ296GTS・新車 System X Pro(6年耐久) |
31万1,400円 |
費用だけでなく、実際の施工の様子なども気になるという方は、施工事例からご確認いただけます。
セラミックコーティングは価格以上にお店選びが重要
コーティングを依頼する際、費用や自宅からの距離だけでお店を選びがちですが、セラミックコーティングの本来の性能を実感したいなら、お店選びにこだわることがとても重要です。美しく仕上げるには、下地処理やコーティング塗布に関する高い技術と豊富な経験が不可欠ですし、専用ブースや遠赤外線による熱乾燥などの設備も仕上がりに大きく影響します。
さらに、仕上げた美しさを長く保つには、アフターメンテナンスがしっかりしているかどうかも大切なポイントです。セラミックコーティングを扱っているからといって、すべてのお店のレベルが高いわけではありません。慎重に比較して選びましょう。
セラミックコーティングの価格に関するよくある質問
セラミックコーティングの価格や費用を抑える方法などについて解説してきましたが、まだまだ施工を検討するうえで気になることがあるという方もいるのではないでしょうか。ここでは、セラミックコーティングの施工価格に関する、4つのよくある質問に答えていきます。
セラミックコーティングの価格が高い理由は?
セラミックコーティングの価格がガラスコーティングより高いのは、溶剤の品質が高くてコストがかかるだけでなく、施工により高度な技術と時間が必要なためです。特に重ね塗りを行う場合は、均一に仕上げるための技術力に加えて、乾燥にも手間と時間がかかります。
ガラスコーティングももちろん技術は必要ですが、セラミックはより品質が高いぶん、作業も繊細で難しく、その分価格も高くなります。
セラミックコーティング施工後にかかる費用は?
セラミックコーティングに限った話ではありませんが、施工後は半年〜1年ごとにメンテナンスを受けるのが一般的です。これにより、劣化した被膜を整えて効果を長持ちさせることができます。
メンテナンス費用は内容によって異なりますが、施工価格の1〜2割程度が目安です。たとえば20万円の施工であれば、2〜4万円前後を見ておくとよいでしょう。なお、普段のお手入れをお店に依頼する場合は、別途で洗車料金などが発生することもあります。
セラミックコーティングの費用対効果は高い?
セラミックコーティングは、施工後にこまめな手入れを行い、定期的にメンテナンスを受けていれば、ガラスコーティングよりも長期間にわたって効果が持続するため、費用対効果は高いといえます。ただし、どんなに高性能なコーティングでも、お手入れを全くせずに屋外に放置してしまうと、被膜が劣化しやすくなり、1年もたずに効果が落ちるケースもあるので注意が必要です。
自分での施工と専門店施工の違いは?
自分で施工する場合と専門店に依頼する場合で最も大きな違いは、下地処理の質です。専門店では、ボディ表面の不純物を丁寧に除去し、専用機材を使って徹底的に磨くなど、仕上がりを左右する重要な工程をしっかり行います。一方、自分で施工する場合は、不純物の除去はできても、磨き作業は難しく、専用の設備や道具も揃っていないケースがほとんどです。
また、使用するコーティング剤も異なり、専門店では品質重視、DIY用は施工のしやすさを重視したものが多いという違いもあります。
セラミックコーティングの価格を理解したうえで最適な施工を検討しよう
セラミックコーティングの価格は、車のサイズやボディの状態、コーティングの種類によって決まります。軽自動車なら10万円台から、大型SUVやミニバンでは20万円を超えることもあり、おおよその施工相場は10万〜25万円程度が一般的です。
ガラスコーティングより高めですが、セットメニューやキャンペーン、新車時の施工などで費用を抑えることも可能です。価格だけでなく、それぞれの特長やメリットを理解したうえで、信頼できる専門店を選びましょう。