セラミックコーティングで後悔しないために知っておくべきデメリット

カーコーティングの普及により、近年ではさまざまな商品が生み出されています。その中で最上級の品質を誇るのが「セラミックコーティング」です。

施工を検討する中で「どのコーティングが最適なのか」「どのようなメリット・メリットがあるのか」気になる人もいるでしょう。ネットで検索するとセラミックコーティングに関するネガティブな情報も少なくないため尚更です。

コーティング効果を実感し、施工で後悔しないためにはコーティングについての理解がとても重要です。今回は、セラミックコーティングとは何なのか、デメリットにはどのようなことがあるのか、経験豊富なプロの声も踏まえながら詳しく解説していきます。

セラミックコーティングとその他のコーティングの違い

セラミックコーティングは、品質において現存する商品の中でもトップレベルであることに間違いありません。強固なコーティング被膜を形成し、美しい光沢はもちろん圧倒的な耐久性を誇ります。

多くの人が確かな効果を実感している一方で「ガラスコーティングと一緒」「施工して後悔した」といった、ネガティブな声も少なからず見受けられます。ここでは、他のコーティングと何が違うのか、価格や艶、耐久性別で解説します。

コーティングの成分

コーティングの品質や効果は、被膜の成分によって大きく異なります。現存する各コーティングの成分と主な特徴は以下の通りです。

コーティングの種類	コーティングの成分	主な特徴
ワックス	油脂成分	被膜が厚く艶が出やすい一方で耐久性がない
ポリマーコート	樹脂成分	艶が出やすくワックスよりも耐久性が少し上がる
ガラスコート	二酸化ケイ素など	被膜は薄いものの被膜が強固で耐久性に優れている
セラミックコート	金属・酸素・窒素・炭素などの化合物が主成分	ガラスコートよりも強度が上がり重ね塗りにより被膜も厚くできる

あくまでも一般的な成分であり、商品によって成分や配合量が異なります。また「セラミックコーティング＝高品質」と認知されていることから、ガラスコートの成分を濃くしたものをセラミックコーティングとして販売しているメーカーもあります。

そのため、セラミックコートはガラスコーティングと成分が全く別の商品というわけではありません。成分濃度が高く一般的なセラミック商品よりも優れたガラスコートも存在します。

セラミックコートとして販売するうえで、メーカーがどのようなこだわりをもっているのか、どのような特徴があるのか、公式サイトで確認したうえで比較してみましょう。

コーティングの施工価格

コーティングの施工価格は「溶剤の価格・施工のしやすさ・下地処理作業の内容」で料金が異なります。一般的には成分の濃度が高く高品質なものになるほど、施工が難しく下地処理作業にも時間がかかるため、施工費用は高くなります。

商品やお店のこだわりにもよるものの、各コーティングの一般的な費用相場は以下の通りです。

コーティングの種類	費用相場（お店での施工）
ワックス	3,000～5,000円
ポリマーコート	10,000～30,000円
ガラスコート	50,000～150,000円
セラミックコート	120,000～250,000円

各コートの費用に幅があるのは、車のサイズによって料金が定められているからです。ワックスやポリマーコートはガソリンスタンドやカー用品店で取り扱いが多く、ガラスコートやセラミックコートは専門店やディーラーでの取り扱いが多い傾向です。

セラミックコートは、成分が濃く溶剤費が高いことに加えて、施工するには徹底した下地処理が必要で作業に時間がかかることから、一番高額になります。

ちなみに、下地処理とはコーティング剤を塗布する前の工程で、ボディに付着した不純物を除去したり表面を磨きあげたりする作業です。下地処理にかける時間やスタッフのレベルによって、同じ商品でも仕上がりや寿命に大きな違いが生まれます。

セラミックコーティングの効果を十分に実感し、後悔しないためには、下地処理を徹底している専門店での施工が特に重要です。

「セラミックコーティング」でアピールして、低レベルな下地処理で施工しているお店もあるため、注意が必要です。

 

セラミックコーティングとは？メリット・デメリットや価格相場について解説

コーティングの艶や輝き

コーティングを施工するうえで、艶や輝きを重視したいという人も少なくありません。一般的に形成される被膜が厚いほど艶が増すため、溶剤を塗布する前にボディを磨き、凹凸のない状態に仕上げることも非常に重要です。

セラミックコーティングは、ガラスコートよりも被膜が厚く、下地処理を徹底した専門店での施工が多いことから、最も艶や輝きを感じやすいと言えるでしょう。

コーティングの種類	一般的な被膜の厚さ
ワックス	10ミクロン前後
ポリマーコート	10～15ミクロン
ガラスコート	0.1～1ミクロン
セラミックコート	5～15ミクロン

上記の通り、艶や輝きだけで考えればワックスもセラミックコーティングレベルの輝きと言えます。これは、非常に被膜が厚く成分が傷を埋めてくれる効果があるためです。ただし、ワックスやポリマーコートは被膜が非常に弱く耐久性の低さがデメリットと言えるでしょう。

コーティングの耐久性

コーティングの耐久性は「被膜の硬さ・被膜の厚み」によって決まります。セラミックコーティングは被膜が非常に硬く、厚みもあることから圧倒的な耐久性を誇ります。

コーティングの種類	被膜の硬さ	被膜の厚み
ワックス	非常に柔らかい	10ミクロン前後
ポリマーコート	柔らかい	10～15ミクロン
ガラスコート	硬い	0.1～1ミクロン
セラミックコート	硬い	5～15ミクロン

被膜の硬さを示す方法として「鉛筆硬度」が使用されることがあります。「9H・10H」といった表記を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。ガラスコートは9Hが限度と言われており、セラミックコーティングの中には10Hを達成した商品もあります。

ただし、ここまで解説した内容は同じ環境下における耐久性であり、施工車の使用頻度や駐車環境、お手入れ内容によって寿命は大きく異なります。長く効果を実感したい場合は、日頃からお手入れを行いアフターケアに力を入れているお店を選ぶことが重要と言えるでしょう。

セラミックコーティングの適切なメンテナンス方法やお手入れ方法は「セラミックコーティングのメンテナンスを自分でする方法や注意点を解説！」で解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。

セラミックコーティングを施工するメリット

他のコーティングと比べたセラミックコートの特徴について解説してきましたが、施工することでどのようなメリットがあるのか気になる方もいるでしょう。主な施工メリットは3つあります。

ここでは、各メリットの詳細について「systemX」を参考に解説していきます。

耐薬品性能に優れており耐久性が高い

systemXは、アメリカの航空宇宙産業に特化した特殊コートの研究開発会社によって生み出された商品です。もとは船や飛行機専用のコート剤であったことから、あらゆる環境下でボディを守れる強固な被膜を形成します。

耐熱性や耐擦り性で優れているのはもちろん、紫外線・酸性雨・塩水・融雪剤といった、あらゆるものからボディを守る耐久性を兼ね備えています。長い間、ボディをキレイな状態で維持できることは大きなメリットと言えるでしょう。

systemX以外のセラミック商品に関しても、溶剤の濃度が高いため、一般的なガラスコーティングと比べて耐薬品性能に優れていると言えます。

被膜が硬いため細かい傷が入りにくい

セラミックコーティングは、形成される被膜が非常に硬いことから耐擦り性能に優れており、ボディに細かい傷が入るのを防げます。被膜が厚いことも傷が入りにくい要因の1つと言えるでしょう。

濃色車で、拭き傷などによるくすみが気になっていたという方におすすめです。ちなみに、飛び石を防ぐ目的で施工を考える人もいますが、施工する商品に関係なくコーティングでは飛び石のダメージを完全に防ぐことはできません。

飛び石による被害を最も防げるのは、プロテクションフィルムですが、施工費用が高額というデメリットがあります。

被膜が厚く美しい光沢が備わる

セラミックコートは、形成する被膜が非常に厚いことから、深みのある美しい光沢もメリットの1つです。systemXを扱う施工店は、専門店として下地処理にもこだわっているため、これまでに経験したことのない美しい仕上がりを実感できます。

また、各店舗ともアフターケアにも力を入れているため、美しさや各効果を長く実感し続けられます。

セラミックコーティングを施工するデメリット

高品質なセラミックコーティングには、さまざまなメリットがある一方で、施工前に理解しておくべきデメリットも3つあります。

デメリットを踏まえたうえで、施工メニューやお店を選ぶようにしましょう。

施工価格が高く使用環境によっては割に合わない

セラミックコーティングだからといって、被膜が劣化しないというわけではないため、使用環境によってはコスパが悪くなる可能性があります。駐車環境やお手入れ頻度などを踏まえて、最適な施工メニューを選ぶようにしましょう。

青空駐車場に駐車しており、全くお手入れをしていなければ、セラミックコーティングであっても長持ちしません。「セラミック商品ならお手入れいらず！」といった宣伝をしているお店もありますが、鵜呑みにしないようにしましょう。

飛び石や雨染みを完全に防げるわけではない

セラミックコーティングは、他の商品と比べて被膜が厚く強固でありますが、飛び石を完全に防げるわけではありません。また「セルフクリーニング効果」により、キレイな状態を維持しやすいものの、最低限のお手入れは必須と言えます。

前述した通り、青空駐車場で放置し続ければ被膜が徐々に劣化してしまい、表面に雨染みもできます。「セラミック商品＝お手入れいらずであらゆる症状から愛車を守れる」というわけではありません。

施工店によって仕上がりに大きな差が出やすい

セラミック商品は、施工が難しく誤魔化しがきかないため、施工店のレベルによって仕上がりや寿命に大きな差が出やすいデメリットがあります。

セラミック商品に限らず、コーティングは「高品質な溶剤×徹底した下地処理」で決まるため、設備が整っておらず技術レベルの低いお店で施工してしまうと、十分な効果と美しさを実感できません。商品の良し悪しだけでなく施工店のレベルや作業内容も踏まえて、しっかり比較する必要があります。

 

セラミックコーティングとは？メリット・デメリットや価格相場について解説

 

セラミックコーティング施工で後悔しないための注意点

セラミックコーティングにはメリット・デメリットがあり、美しい仕上がりと高い効果を実感しつつ施工で後悔しないためには、3つの注意点について理解しておく必要があります。

セラミック商品に限らず、全てのコーティングに当てはまる内容ですので、施工メニューやお店を決めるうえで参考にしてみてください。

お手入れが全く不要というのは間違い

カーコーティングの認知度が高まったことで、近年では専門店以外でも施工できるお店が増えてきています。気軽に利用できるようになった一方で、誤った知識のもと営業しているお店もあるため注意が必要です。

コーティングは、傷やシミを防ぎ普段のお手入れをしやすくするための商品で、お手入れを不要にするためのものではありません。お手入れ頻度を伸ばすことはできても「お手入れ不要」というのは完全に間違いと言えます。

「セラミックコーティングならお手入れ不要と聞いたから」といった考えで、施工しないようにしましょう。

全ての車におすすめというわけではない

コーティングは、良いものを施工するに越したことはないものの、使用頻度や駐車環境、お手入れ頻度によっておすすめの商品が異なります。

セラミック商品は施工費用が高額ではあるものの、適切なお手入れやメンテナンスを受け続けることで、長く効果を実感できます。そのため、長期的な視点で考えるとコスパが最も優れている商品と言えるでしょう。

施工店を厳選する必要がある

セラミック商品の美しい仕上がりと効果を実感するには、高品質な溶剤を取り扱っているだけでなく、施工技術が高く経験豊富なお店を選ぶことが非常に重要です。

あらゆる設備が備わっており、下地処理を徹底しているお店でのガラスコーティング施工と、設備が整っておらず下地処理のレベルも低いお店でのセラミックコーティング施工では、仕上がりや効果において圧倒的に前者の方が優れていると言えるほどです。

商品の良さだけでなく、施工店もしっかり比較するようにしましょう。長く効果を実感するには、アフターケアの内容も重要です。次章では、セラミック商品の確かな効果を実感できる優良なお店の選び方を解説します。

高品質な仕上がりを体感できるコーティング専門店の選び方

セラミック商品の高い効果と仕上がりを十分に実感し、後悔しないためには商品選びはもちろん、優良なお店での施工が必須と言えるでしょう。

しかしながら、どのようなお店が優良と言えるのか、選び方が分からないという人もいるでしょう。ここでは良質な施工を受けられる専門店を見つける4つのポイントについて解説していきます。

セラミックコーティングブランドからの認定を受けている

セラミック商品の効果や仕上がりを十分に体感するには、商品だけでなく施工店の下地処理のレベルや設備の充実が必要不可欠です。そのため、ほとんどのブランドでは認定制度を設けています。

systemXでも認定店を厳正しており、正しい提案力と技術力を持った専門店のみで施工可能です。コーティングブランドが推奨するお店であれば、施工技術も高いと言えるでしょう。

コーティングに関する機材や設備が整っている

高品質なコーティング施工には、専門の設備や機材が欠かせません。具体的には、以下のような項目が当てはまるお店であるかをチェックしてみましょう。

下地処理とコーティング塗布は、全く別の工程で使用する機材や求められる環境が全く異なります。全ての工程を1つの作業場で行っているようなお店では、下地処理作業でこもった水気でコーティングが乾燥しなかったり、磨き粉でボディが傷ついたりする可能性が高いためおすすめしません。

また、強固な被膜を形成するには完全硬化させる必要があるものの、約3～4週間の時間がかかるため、ほとんどのお店では初期硬化（24時間前後）のみで納車しています。これに関しても熱乾燥による数時間での完全硬化を可能としているお店もあるため、公式サイトを確認したり問い合わせてみるなどしてチェックしてみましょう。

施工事例や工場案内に力を入れている

下地処理の工程や設備などに自信を持っているお店では、納得してもらうために工場案内を積極的に行っています。依頼後の流れやおすすめのコーティングについて分かりやすく説明しています。

一方で、徹底した施工をしていない場合、作業場の詳細が分からないようにしていたり、具体的な作業手順やこだわりを施工事例として載せていなかったりするお店がほとんどです。公式サイトにおける説明が不十分で、問い合わせても適切に対応してくれないようなお店は避けるようにしましょう。

アフターケアが充実している

セラミックコーティングの効果をより長持ちさせるには、施工店による定期的なメンテナンスが欠かせません。そのため、アフターケアを用意していないようなお店は避けましょう。

メンテナンスでは、ボディの状態に合わせて専用のクリーナーを使用したり、トップコートを塗り直したりして被膜を修復します。どのようなメンテナンスメニューがあるのか、費用が明確になっているのか公式サイトをチェックしてみましょう。

メンテナンスの質問をした際に、分かりやすい説明ができていなかったり再施工にしか対応していなかったりするお店は、アフターケア不足と言えます。

セラミックコーティングに関するよくある質問

最後は、セラミックコーティングに関する、4つのよくある質問に答えていきます。

専門店への依頼ではなく、自分で施工する場合の注意点や施工後のメンテナンス・お手入れ方法に関する内容ですので、参考にしてみてください。

セラミックコーティングは自分で施工できますか？

専門店が使用するプロ仕様の商品の場合、適切な下地処理の実施が前提となっており、施工経験のない人が施工するのはリスクが高いと言えます。ただし、市販のセラミックコーティングであれば自分でも十分施工可能です。

市販のセラミック商品は、誰でも施工できるように改良されており正しく作業を進めれば施工できます。ただし、十分な下地処理をしておらず、溶剤の濃度も低めであるため、専門店のような効果や仕上がりにするのは難しいと言えるでしょう。

セラミックコーティングのメンテナンスを自分でする方法や注意点を解説！

セラミックコーティング剤のおすすめの選び方は？

DIY施工を考えており、市販のセラミックコーティング剤を選ぶ際には、実際に購入した人の口コミを参考にしてみましょう。溶剤の濃さなどは、公式サイトだけでは完全に比較できません。どれくらい強く水を弾くのか、施工は難しくないか、さまざまな口コミを参考にしてみましょう。

ただし中には事実と異なる酷評もあるため、全てを鵜呑みにすることなく参考にする程度がおすすめです。商品によって溶剤だけのものと、専用クロスやメンテナンス剤までセットのものもあるため、事前にチェックしたうえで選んでみてください。

セラミックコーティングは重ね塗りできますか？

セラミックコーティング商品の中には、重ね塗りできるものもあれば、できないものもあります。重ね塗りを推奨していない商品を何度も上塗りすると、ひび割れの原因になるため注意が必要です。

重ね塗りできるセラミック商品は、専門店でのメニューに多く、市販の商品には少ない傾向です。

セラミックコーティングのメンテナンス方法は？

セラミック商品に限らず、コーティングのメンテナンス方法には、以下のような種類があります。

メンテナンスは、施工店に任せるのが一般的ですが、洗車時に自分で使える専用クリーナーなどが付いてくるものもあります。使用方法について教えてもらったうえで作業してみましょう。

 

ちなみに、普段のお手入れは水洗い洗車か手洗い洗車を行います。自動洗車機はブラシの状態が悪く傷だらけになる可能性があるため、使用は避けましょう。

コーティングについて理解したうえで自分にあった商品を選んでみよう

セラミックコーティングは、現存する商品の中で最上級の品質を誇ります。圧倒的な耐久性と美しい艶を実感したい人はぜひ施工を検討してみてください。ただし、全てのカーライフに最適というわけではなく、各コーティングのメリット・デメリットを理解しながら選ぶことが大切です。

また、高品質な効果を実感するには、施工店のレベルも非常に重要です。商品の効果や費用だけでなく施工店の下地処理に対するこだわりやアフターケアの内容も踏まえて依頼先を決定しましょう。